看護師は離職率や転職率が高い職業だといわれていますが、実際にどのくらいの割合なのか興味を持つ人も少なくありません。2015年における日本看護協会の統計では、常勤看護職員離職率が10.9%であり、新卒看護職員離職率は7.8%という結果でした。一方で同じ年の労働者全般の離職率は、全職種での平均が15%程度となっています。この数字を見ると看護師は必ずしも離職率や転職率が高いというわけではありません。特に新人看護師は、スキルを身につけるために腰を据えて仕事に臨んでいることがうかがえます。やはり看護師という専門職では、技術や経験が重視されるため、たとえ転職を考えていても、まずは最初の職場で頑張ってみると考える看護師が多いのです。
看護師の離職率は他の職種と比べて突出して高いわけではありませんが、それでも一体の割合で離職や転職が行われています。何故ならば、看護師の仕事はハードであり、無理をして働いている人が少なくないからです。身体的や精神的に負担を感じる看護師も少なくなく、離職や転職を考えてしまうのです。看護師の離職率や転職率を少なくさせるためには、職場の労働環境の改善が重要です。看護師は女性が多いので、女性が働きやすい環境を整えることが大切です。妊娠や出産があったら休暇を取りやすく、また復職しやすい職場環境を整える仕組みづくりが急がれています。さらには男性看護師の割合を増やすことで、離職率や転職率を減らし、結果として働きやすい医療現場に変えることが大事なのです。